ボランティアのジレンマ
みなさんこんにちは。
今回は、ツイッターで書ききることができなかったので、
こちらにアップされていただきます。
ボランティアをやっていて、よく感じていたのが、
「ボランティアが充足しているのか不足しているのかどうか分からない」ということです。
既に多くの報道機関で報道されているとおり、
ボランティアセンターに行ったら「定員いっぱい」ということで作業にありつけなかったり、
午前中で作業が終わったので、昼から別の作業ができる状況となっても、
「本日の受付はこれで終わりです。」といわれることが結構あります。
他方、ボランティアのニーズが減ってきたのかなと思いながらボランティアセンターにいったら、
ボランティアの数が全然足りなかったりということも結構あります。
また、町の状況(特に益城町)を見ていると、未だに多くの家屋が崩壊した状態で放置されており、
とても必要がなくなっているとは思えません。
なんでこんなことが起こっているのかなと思っていたところ、
おそらく被災者のニーズとボランティアセンターで受けられる範囲にずれがあるのではと感じるところが今回ありました。
今回、益城町で作業を行った内容は、家屋から出た震災廃棄物を分別して廃棄物集積場までもっていくという内容でした。
その際、ボランティアセンターからは、家屋は全壊判定なので立ち入らないでほしいとの話がありました。
実際現場に行ってみると、柱が傾いた納屋の前の方に今回の廃棄物がありました。
ただ、お話を聞いてみると、それだけでなく、納屋の中にあるものも廃棄したいとのことでした。
また、納屋の中にある一部の荷物も別の場所に移動したいとのこと。
本来であれば、納屋への立ち入りは原則禁止されており、
そのような依頼であれば、ボランティアセンターも受け付けられないのが原則です。
ただ、これだけのものを取り出すのは人手がいるのがわかっており、
しかも、家屋のオーナーは、命からがら救出された高齢者の女性。
彼女だけではこの作業は到底できるものではないのは明白です。
また、近所の人の助けを得て取り出すにしても、結局その人たちを危険な目にあわせてしまうのは同じです。
業者に頼むにしても、すごい順番待ちで、いつできるかどうかわかりません。
状況を見てみると、これらのものを取り出すのに、今いる人員を導入すれば、そんなに時間がかかる状況ではなさそうです。
ただ、大きな余震が来ると納屋自体が崩れる可能性があるのも事実です。
さてどうするのか?
結局、入って取り出してしまいました。
ボランティアの安全確保をしなければいけないボランティアセンターの立場としては、
このような案件は到底受けることができません。
かといっていざ現場に行って依頼者のお話を聞いたり現状をみたりすると、
できそうな範囲であればやってしまおうと考えてしまうのも事実です。
正直、その点に関しては、今でもジレンマを感じております。
ただ、今回の案件を通じ、被災者のニーズがあっても、ボランティアセンターで受けることがられる範囲にずれがあるのでは?
と感じました。
ボランティアの方々は、「私の出来ることであれば、なんなりと」という志を持った方が圧倒的なので、
目の前に困っている方がいると、どうしてもやってしまいたくなります人情です。
かといって、事故に巻き込まれると逆に迷惑をかけてしまう可能性があります。
ボランティアの立場として、どこまでやってよいのかというところに関しては、
正直悩むところです。
一刻も早く、被災された方々の生活再建を願う気持ちは変わらないのですけどね。
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- ボランティアのジレンマ(2016.07.20)
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