少し前の話になるのですが、久しぶりに「ハゲタカ」という映画を見に行きました。
内容は、経営危機に陥った自動車会社を乗っ取ろうとする外資ファンド(いわゆるハゲタカファンド)と、それを阻止すべく会社側から依頼されたファンドとの戦いを描いたものです。
<以下、ネタばれしないようにしておりますが、先入観なしに映画を見たいという人は、これ以下を見ないようにしてくださいね。>
この映画、出てくる登場人物たちは、様々な手段を用いて企業買収を試みています。表向きには業績不振に陥った会社を再生するという目的で株の買収合戦を行っていきます。
しかしながら、その根底にあるのは、自らの地位保全、異常なまでの拝金主義、等、様々なエゴです。そこには、企業活動を通じて世の中に貢献しようとか、そこで働く人の生活基盤を支えるといった考えは毛頭もなく、会社を利用して自らの利益のみを追求しようという考えしかありません。本作品は、そこを痛烈に批判するメッセージを発するものとなっております。(少なくとも私はそのように感じました。)
少し前に、日本でも、「株主の利益」、「企業価値の向上」を掲げたファンドがあったりIT会社の社長がいました。従来の日本にないビジネスモデルが脚光を浴び、時代の寵児としてもてはやされましたが、ふたをあけてみるとその会社の大株主といえば彼らであり、表向きにはきれいな言葉を並べていても、結局のところ、自らの利益のことしか考えていなかったということがありました。
企業再生を行うプロセスとしては、ファンド等のスポンサーによる資本的な支援、不採算部門の切り離し、収益が見込める事業への経営資源の集中化、等、共通したプロセスがあるため、一見すれば、企業再生の救世主なのか単なるハゲタカなのか分からないところがあります。
ただ、両者の間には、根本的な違いがあります。
それは、
社会全体の利益を考えて行動しているのか、自らの利権のみを追及して行動しているのか、
ということです。
一見すれば同じような行動をとっていたとしても、そもそも目的が異なるわけですから、そこから得られる結果は当然のごとく違ってきます。短期的には同じような結果が得られたとしても、長期的には違ったものになるのは間違いないでしょう。
経営危機に瀕した企業を再生する本当の意義とは、
その会社にかかわる利害関係者、すなわち、得意先、取引先、従業員やその家族、そして経営者自身やその家族などに耐えがたい傷を残すことを防ぐこと。
そして、
得意先、取引先を始めとする社会に貢献し、そこで働く人やその家族、並びに、経営者自身やその家族の夢や幸せが実現できる会社に再構築すること。
それにつきると思います。
100年に一度といわれている不況の中、倒産又は倒産寸前までの状態に窮した企業が急増しております。
こういう世の中だからこそ、自らのエゴや利益だけを追求するのではなく、すべての利害関係者の利益を考えて企業再生を行ってほしいと願うばかりです。
そのような企業が増えてくることにより、社会全体が活性化してくるものと信じております。
私自身も、弊社にかかわるあらゆる利害関係者にとってベストなこととは何かと常に問いかけ、精進していきたいと思います。
弊社の経営理念である
「~すべての人が幸せに~
私たちは、産業を根底から支えるかけがえのない製品を通じ、すべての人が幸せになることに貢献します。」
を実現するために。
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